Symphonyは単なるチャットツールではなく、組織変革ツール。
みずほ証券、旗振り役の挑戦と展望

日系金融機関で先陣を切ってSymphonyを導入したみずほ証券株式会社。

その立役者ともいえる今泉ライアン様に導入までの経緯、今後導入を考えている企業各社へのアドバイスなどを伺いました。

みずほ証券株式会社
グローバルマーケッツ部門 エクイティ本部
パンアジアン エクイティ COO/マネージングディレクター
今泉ライアン様

グローバルな業務ならではのコミュニケーション課題

まずは、ご自身のお仕事内容をご紹介ください。

今泉ライアン様(以下、今泉様):

みずほ証券株式会社のエクイティ本部にて、エクイティビジネスのビジネス推進を担っています。海外拠点と東京拠点との連携も行う部署で、社内のトレーダー、営業担当者の円滑な業務のサポートを行っています。また、新しいシステムの導入や見直し、先進的なテクノロジーの提案という役割もあります。

私自身は個別のトレーディングや営業活動は行っていませんが、直接お客様にお会いすることもあります。新型コロナウイルスの感染拡大前には、年間70~80の会議に出席し、ニューヨーク、香港、ロンドンにも年に2回ずつ出張していました。

当社は、日本株ビジネスに強みを持っていますが、株式のビジネスはグローバルです。日本株のお客様は海外にも多数いらっしゃり、ニューヨーク、香港、ロンドン、シンガポールにある弊社の海外拠点と密接に連携を取る必要があります。

 

Symphonyの導入にあたって、最初のきっかけ、解決すべき問題はなんでしたか?

今泉様:

1つ目は、グローバルにコミュニケーションをするためのツールが、メールと電話以外にほとんどなかったことです。

「メールを読んでもらえない」「メールの返信が来ない」「メールがどこかに埋もれてしまう」「電話をしてもつかまらない」といったように、迅速なレスポンスが期待できず、コミュニケーションの難しさに課題を感じていました。こうした課題は、グループ会社間でも発生していました。

2つ目は、日本の規制で、銀行と証券会社の間には高い壁(ファイアウォール)を設けなければなりません。例えば、メールを送信する際にも情報管理上のルールがありますが、非常に多忙で急いでいる担当者が、そのルールをうっかり漏らすといったことがないように、情報セキュリティやコンプライアンスの面でサポートしたいと感じていました。

外資系企業とのギャップにも危機感

今泉様は以前、外資系企業にお勤めだったそうですね。

今泉様:

はい、当社入社前は外資系証券会社に在籍していました。そこでは2004年当時から、簡単にアクセスできる社内のチャットやビデオ通話のツールがあり、自席からであっても海外のお客様とすでに直接連絡ができる環境でした。

一方、当社にあったのは国内のチャットのみで、その違いを知る身としてはコミュニケーション手段の遅れを痛感していました。

 

そうした日本企業と外資系企業との差は、お仕事上のどのようなところに感じましたか?

今泉様:

なんといっても、コミュニケーションのスピード感です。

スピードと正確性が求められる株式の世界で、「電話してもつかまらない」「メールが読まれない」のではスムーズにディールが進みません。

日本の会社も、テクノロジーに関する先進的な着眼点を持つことが大切であると思います。私としては、Symphony導入を通じて、テクノロジーに対する社員の意識も高めていきたいと思っています。

「Symphonyなしでは円滑な業務ができない」コロナ禍で力を発揮

では、どのようにSymphonyを活用し、どのような効果を実感されていますか?

今泉様:

まず、Symphonyというチャットツールでつながることで、お互いに返答が速くなり、スピーディーかつ有益な情報交換ができるようになりました。また、Symphonyの「チャットボット」機能を用いて、チャットを始める前に宛名の確認を自動でできるようにすることで、先ほどの情報セキュリティやコンプライアンスの面を担保しながらコミュニケーションを図ることができるようになりました。今では、ビジネス部門とコンプライアンスなど他部門の担当者が、Symphonyの同じチャットルームでコミュニケーションを取っています。これは当社にとって大きなステップです。特に、コロナ禍において、オフィスの所在地が異なっていたり、在宅勤務をしていたりと、社員間で物理的な距離が生まれている中で、Symphonyというチャットツールの力が非常に発揮されていると感じています。

また、Symphonyは単なるチャットツールではなく、業務効率の向上を実現するツールであるとも感じています。

例えば、これまでは専用のシステムにログインして、株式の現物ポジションの確認を行っていましたが、Symphonyの「チャットボット」を活用することで、ログインなしにデータにアクセスできるようになりました。

システムへのログインは、多忙なトレーダーなどにとっては面倒なこと。また、ログインやそれに伴うユーザーアカウントが不要になることで、システム利用にかかるコストの削減にもつながるのです。

今では「Symphonyなしでは円滑な業務ができない」という声も社内で聞かれるほど、幅広い業務で活用しています。

今後は業務の効率化だけでなく、ビジネスの拡大にもつながるような使い方をしていきたいと考えています。

例えば、株式の取引データから、特定銘柄の購入履歴を抽出することで、迅速にお客様にご提案できるようにするといった具合に。

株式の取引データの他にも、Symphonyを通じてさまざまなデータにアクセスすることで、ビジネスの拡大につなげられると期待しています。まさに無限大の可能性を秘めているのです。

Symphony導入でどのような課題を解決するか=ビジョンを持つこと

今泉様のように、Symphony導入の「旗振り役」として立ち上がりたい読者にアドバイスはありますか?

今泉様:

実はSymphonyを導入する前、すでに全社的なコミュニケーションツールとして他社のチャットツールを採用することが決まっていたんです。

しかし、Symphonyは単なるチャットツールではなく、チャットボットとの連携などによって、マーケッツビジネスにおける業務効率をアップしたり、ビジネス拡大に資する、いわば「組織変革のためのツール」であることを強調し、社内で提案しました。

情報セキュリティの面では、Symphonyが数多くの金融機関から出資を受けており、コンプライアンス要件や監査要件を満たしていたことから、コンプライアンス部門の理解を得やすかったです。

肝心なのは、Symphonyの可能性を十分に理解すること。金融機関として導入することで、どのような課題を解決できるのかというビジョンを持つこと。

そうすれば、他のチャットツールとは明らかに一線を画す存在であることを確信できますし、導入に際して、多少の社内の抵抗があったとしても、そのチャレンジは乗り越えられるでしょう。

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